大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(オ)559 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士長野潔、同浅沼澄次の上告理由は別紙記載のとおりである。

論旨第一点は、上告人がした国籍回復許可申請は強迫に基くものであると主張す

るに帰し、同第二点は右許可申請は上告人の自由な意思決定に基くものでないと主

張するに帰する。しかしながら、原判決が、右許可申請に至るまでの経過について

認定した事実によれば、原判決が上告人が「国籍回復の申請を決意した当時の情況

は、未だ以つて外部の強圧により全く意思決定の自由を失つていたとは到底認め難

いのみならず、……国籍回復の手段をとる外選択の道がなかつた程の圧迫であつた

とも考えられず、控訴人はむしろ、自己の地位と周囲の状況とを十分に考慮にいれ

て自由な立場より判断して決定したものと認めるのが相当である。」と判示したの

は至当であつて、原判決に所論のような違法はない。論旨で引用する東京高等裁判

所の判決の場合と本件の場合とは具体的事情を異にし、同じ結論に到達しなかつた

からと言つて異とするに足りない。論旨は理由がない。

以上説明のとおりであるから本件上告はこれを棄却することとし、民訴四〇一条、

九五条、八九条を適用し、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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